補聴器は 普通の大きさの声で話される会話が聞き取り難くなった方の聴力を補い聴きやすくするための医療機器です。 遠く離れた音や特別小さな声を拡大して聞くものではありません。
ご自分自身やご家族だけの判断で補聴器が必要かまた効果が望めるかを正しく判断することは困難です。 まずは本当に補聴器が必要かどうか、また役に立つかどうかを耳鼻咽喉科で調べてみましょう。
一般的な補聴器は音を受けるためのマイクロホン、増幅器、イヤホン、電池から構成されています。 また一般的な補聴器には(1)ポケット型 (2)耳かけ型 (3)耳あな型 があります。特殊なものとして(4)骨導式(めがね型、ヘアバンド型) (5)FMなどの無線で聞く種類があります。 補聴器は形の違いだけでなく、機能上もいろいろな種類があります。
また少し聞きとり難いだけの軽度難聴用からほとんど会話が聞き取れない高度難聴用まであります。 そのほかにもいろいろな場面に応じて会話を聞き易くするためのさまざまな機能がついています。
価格には大きな開きがありますが高ければよいというものでもありません。 価格よりも適切な補聴器が選ばれ、正しく調節されていることが重要です。 このような補聴器を、自分で選び分け、さらに使いこなすにはなかなか大変です。 そこで日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会は、補聴器活用に関する専門的な助言・指導ができるよう、一定の研修会を終了した会員に日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会補聴器相談医を委嘱しています。
補聴器相談医は、日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会認定専門医の中で補聴器に関する診療と相談に積
極的に参加する意志をもち、かつ所定の研修会を受講された医師が委嘱されています。委嘱の更新は6年ごとに更新されることになっています。
日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会認定補聴器相談医の医師名ならびに勤務する医療機関をご案内いたします。本リストを補聴器に関する悩みをお持ちの方、あるいは補聴器診療にかかわる方々の窓口としてご活用ください。
事業場において労働者の健康管理を行う医師を産業医と言います。通常は外科や内科の
医師が研修を積んで資格を所得します。産業医の仕事は、労働者の健康診断、衛生教育、職場における健康障害の原因調査、事業場の責任者に対する専門的な指導助言、職場の巡視などであり、病人の診断・治療を行う臨床医と比較してその仕事内容はだいぶ異なります。
職場における騒音性難聴の話題も産業医は一応学びますが、聞こえに関する学問は幅が広くまた深いので、産業医の中でも特殊な分野になります。
日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会では、近年耳鼻咽喉科専門医が関わるべき産業環境医学の分野のなかで、特に騒音性難聴を正しく診断できる専門医が必要と考え、昭和62年から一定の講習を受講し、修了試験に合格した800名を越える騒音性難聴担当医を全国に配置しております。騒音性難聴担当医は「騒音職場の聴覚管理」ならびに「騒音性難聴の診断・認定」等について専門的立場で対応いたします。
静岡県内の補聴器相談医と騒音性難聴担当医は下記よりご覧いただけます。
*補聴器相談医
*騒音性難聴担当医